春へ

昔、とても寒がりのばあちゃんがストーブの側で一日中暮らしていました。
暖かい日が何日か続いて、偽物の春に騙された彼女は、薪を全部使い果たして、
ストーブが燃せなくなってしまいました。

仕方ないので、
雪がたくさん降っている中を薪割を始めました。
2日間薪割を続けました。
薪割が終わった2日後は雪が止んでお日様が出て、たくさんの雪をきらきら輝かせてくれました。

桜の花の上からは、雪の花が降り注ぎました。
お日様の陽も降り注ぎました。

こんなにキラキラ美しい雪の花が降り注いでくるのなら、
偽物の春に騙されるのも、悪くないかもと思いました。

めでたしめでたし。

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