今年もお正月準備の時期になりました。
幼い頃はお正月が来るのがとっても待ち遠しかった。
母が作るお節料理の手伝いして、
父が狭い家のあちこちに供え餅を飾るのをくっついて歩いた。
それから、玄関と勝手口にしめ縄を飾った。
車や自転車にも小さなしめ縄をつけた。
どこにもかしこにもお正月さんを迎える準備に抜かりはなかった。
年越しそばを食べて、この日だけは堂々とテレビを遅くまで観た、
枕元にまっさらな洋服と下着を置いてようやく眠りについた。
年が明けたら、去年までのいやな思い出はすべて捨てて、
まっさらな人間になって、まっさらなものに身を包み、
そして、朝から風呂に入って身を清め、お節を頂き、神社へ参る。
私が育った周防徳山の初もうでは、
近くで済ます時は遠石八幡へ、
ちょっと足を伸ばす時は防府天満宮へお参りした。
神社には参拝の人々がごった返し、参道の両脇には香具師が店を並べた。
隙間に傷痍軍人のおじさんたちが物乞いしていた。
華やかなお正月の中に、手や足のないおじさんたちが所々で暗い影を落とした。
人々は、暗い影を極力見ないように、お正月に浮かれた。
それから
お正月のご馳走をたくさん食べて、お年玉を貰った。
子供たちは凧揚げや羽子板遊びを楽しんだ。
獅子舞が家々にやってきて正月を盛り上げた。
私はもらったお年玉を握りしめて街へ走った。
街の角では、猿廻しに人垣ができていた。
私はちゃっかり一番前に陣取って猿の芸に拍手喝采楽しんだ。
それから、がまの油を売っているおじさんの売り口上に耳と目を傾けた。
刀で切った腕の傷の血ががまの油塗るとたちまち治ってしまう!
がまの油の威力にたまげた。でも欲しいとは思わず、お年玉は無駄にしなかった。
子供の頃のお正月は本当に楽しかった。
そして、私の70回目のお正月がくる。
今年も迎えることが出来る家族3人のお正月。
子供の頃と今の新年を迎える期待感は違うけど、
新たな年が始まると思うその時々の気持ちを楽しんで行こう。
いつまで、このまま3人で変わらず過ごせるかは分からないけど、
今を明日をちょっとだけ未来への気持ちを楽しんで行こう。
みなさま良いお正月をお過ごしください。
そして、2025年にたくさんの幸ありますように!
2025年もよろしくお願いします。