白膠木に五倍子ができたので染めてみた

虫コブと呼ばれる五倍子がたくさんできました。
以前住んでいた古い家の隣のおじいさんと、この虫コブを山にとりに行く約束をしていました。
おじいさんは、小さくてかわいい人でした。
山には、虫コブという実が秋になる。
インクの材料やお歯黒にもなったそうです。

でも、昔は昔、今は今のやり方でやらなければ、駄目だ、というのが、おじいさんの口癖でした。
そういうお爺さんの家は、昔ながらのかまどでご飯を炊き、五右衛門風呂にはいって、囲炉裏に当たていました。

おじいさんは、ご飯と畑でとれた野菜という質素な食事をしていましたが、
山に五倍子をとりに行く前に、胃がんでなくなってしまいました。

私は、今山に住んで一人で五倍子をとっています。
毎年五倍子をとっていると、おじいさんのことを思い出します。

そして、
昔は昔、今は今のやり方でやらなければだめだ、
と言っていたおじいさんの言葉が重なります。

私の記憶2・警察に捕まるかと思った

八ヶ岳で森の暮らしをする69歳女子のささやかな日常と
昭和30年代40年代を瀬戸内科のコンビナート地帯で、
お金はないけど、底抜けに明るい家族の中で少女時代を過ごした記憶をお話ししていきます。

隣には全身刺青の入ったトビのおじさんが住んでいました。
その家ではよく花札賭博が行われていました。
私は学校の帰りにおじさんたちの博打風景をやり過ごして家に帰りました。