山の冬は、静かに始まります。
朝いちばんの白湯、ほんのりあたたかいストーブ、
ゆっくり動き始めるお日さん。
キッチンのカーテンを少しずつ巻き上げながら、
外の光と冷たい空気を受け取る時間が好きです。
みそ汁の具を仕込み、パンを焼き、
柿渋布を陽の動きに合わせて移動させる。
手を動かしているだけで、心がすこし軽くなります。
冬は草刈りの代わりに、家のまわりの造成をしたり、
姫ぐるみを割ったり、薪を少しずつ割ったり。
どれも小さな仕事ですが、暮らしの力になる大切なことです。
71歳の私でも安全に使える薪割り機「キンドリングクラッカー」には、
13歳の少女の優しい思いが込められていると聞き、
使うたびに温かい気持ちになります。
夕方、石のこたつを布団に入れてあたためると、
冬の夜も安心して眠れます。
まん丸のお月さんに「おやすみ」と言って、
一日がゆっくりと終わりました。
山の暮らしには不便も多いけれど、
光や風や土に寄り添う時間は何よりのご褒美です。
今日も小さな喜びを見つけながら生きています。